生に対する猛烈な執着

生に対する猛烈な執着指でアバラ骨を掻き鳴らし生死の間の歌うたふ老人よ、彼は立ち上らうとして百姓的な頑固な両腕の狂暴な力をもつて花びらを押しひらかうとする、すべては徒労ですでに遅い老人は肛門のあたりに何かが触れたのを知つた、火のやうに熱したものか、氷のやうに冷却したものか、瞬間ヒヤリと台の下から忍びこんだもの、火もまた熱度の頂天に達するときは氷のやうな感触をもつ、燃えた鉄の蛇は直立した堅さをもつて肛門に飛びこみ老人の腹の中をかけまはる苦痛に彼は花弁に体うちつけ老人は二言何事かを――絶叫した、その声は高いだが百の銅鑼がその声をうち消した、まじまじとパドマを見まもる群集たち鳴物ハタと一斉にやみ固く閉ぢられた白蓮は群集の注視の真只中にみるみる紅蓮にかはつてゆく、その時花のつぼみはポンといふ高い音がして開いた

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