芝居は順序よくいつてゐる

いまでも耳に、こゝろよい語呂をもつたこれらの言葉をさ、同志といふ呼び方は かういふ客観的状勢では少しばかり胡椒が利きすぎるから使はんでくれ給へと 君の眼は哀願してゐるそんなに君は、ヽヽヽヽヽヽヽヽヽ 身に泌みて恐ろしかつたか、かつての文学の、はなばなしい自由の闘士よ、君の野性の性質は いま底を突いたのだ、毛のぬけた犬のやうに温和しい、僕の新しい野性は 永遠に馴れない野性だよ、さあ、同志咆へ始めよう 曾つての美しい言葉のもつ意味の積極性を再製しようさう、恥づかしがらないで練習始めだ、タワリシチ、タワリシチ、ボリシェビイキ、ロートフロント。

芝居は順序よくいつてゐる

ハムレットの乱心が済んでファウストの穴倉苦悶だお次は―夜明け前の半蔵が河童のやうな顔つきで舞台に現れ観客をゾッとさせる残るところはリア王の嵐の中の大絶叫だフン、芝居は手順よく行つてやがらあ、タワリシチ、俳優諸君現実はこゝに至れば演技の上手な階級が勝ちさ国民は倒れかけの書割の下で生活してゐる演劇的時間と現実的時間の区別なんて無いね俳優諸君は舞台の上で観客諸君は舞台の下でせいぜい上手に芝居をやることだ。

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