平民と愛

平民と愛

『人は愛し又愛される王様達に欠けた幸福――』詩人ユーゴーの歌つた愛をうけ継ぐ仕事は若い青年少女達にのこされてゐるユーゴーのいふ通りです、王様達には欠けてはゐるが愛は平民達のためにあるのだから

世界の中には男と女との他に何があるだらう。ふたつのほかに何も想ひ出せない男同志の協同の仕事はありあまる程あるが女との協同の仕事はまだ少ない。女を愛した瞬間に結婚し子供が生れるとは限らないおちつけ、沈着となつてくれ、世の男よ、女よ、『思索と、希望と、仕事と、恋にもつれて人々は暮らす』ユーゴー恋と仕事とを縺れさせぬやう社会意識をもつて愛の生活に明快性を与へよう、

ユーゴーのやうに愛は率直であつてほしい、ユーゴーは心を打あけるのになんて直截で純であつたらう。『彼女がよく髪を結へば僕の心は喜び拙く結へば悲しかつた――』とこの言葉はどこの裏街の平凡な男の言葉とも違はない愛は素朴であり、感動はふかい、女の髪の結ひ方の出来不出来にも男の心は躍るものだから――。

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