この詩を指導者らしい顔付の男に

文学の大根役者に与ふ  ――この詩を指導者らしい顔付の男に――

芝居の花道であんまり醜態を演ずるな文学と政治で引つこみのつかない大根役者は何時までたつても指導者らしい顔つきをして観客が見てゐないのにまだ引つこまない君はなんといふ極左主義的一徹短慮な浅野内匠守長矩侯だ忠臣蔵は筋書どほりやりたまへ吉良上野介を今こゝで殺してしまはふとジタバタしても無理だとにかく我々は敵の眉間《みけん》だけは傷つけたのだから吉良の用心棒に後から羽掻じめにされたのだからさう舞台の上で一人で感情的になつても駄目だ一応幕にするさいつかは吉良を炭小屋のなかから引出して四十七人は君の仇をまんまととつて進ぜよう引つこめ大根役者文学の世界でいつまでも政治上の主役らしい顔つきをするな我々は単なる端役としてつまり四本の馬の脚として熱い汗だらけになつて

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