転落

縫ひぐるみの綿のなかから主張する激しいたゝかひの幕のあげおろしに意地を張つて芝居をするな引つこむべきところは男らしく引つこむのだ幕があがつたら別な外題にまた新しく顔を塗りなほして君は出てくるさ

転落

すばらしい動揺だ、このまま私が椅子からころげ落ちて死んでも私はすべてのものに感謝ができる、その動揺はどこから来た――、周囲からきた、私は知つてゐる風が葉をうごかしてゐるのを見た、理解した、友の眼の色を感動した夕日が空をズリ落ちるのに、いつさいのもの私の視野のものは束となつて私をそれで殴りにきた、立ちあがつてきた物体、思想、色彩、音響けつしておそれない、歴史を背負ひこむのはあらゆる負担は私の義務のすべてだ、あらゆる動揺が私を転落させるのを私はむしろそれを待つてゐる。

— posted by id at 02:35 pm  

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