宇野重吉論

宇野重吉論

演技が悪達者になることを極度に怖れる良心が俳優には欲しいさりとて、あんまり皮を硬ばらして中身のアンコをはみ出さないやうに頼む、こんがりと焼けたタイコ焼のやうな演技を見たい、宇野重吉はいつ遭つても生娘のやうにおどおどしてゐる舞台の上でもまたそのやうにおどおどした妙味がある彼は新協の論題素朴的演技の鍵を握つてゐるだらう少し賞めすぎたかな――。

三島雅夫論

彼は遊星のやうに軌道をまはる円滑な演技をもつてゐる彼に玉子を撫でさしたらきつと上手にツルリと撫でるだらう左様に彼は主役に取りまく脇役としてのうまさがあるわたしはファウストで(滝沢)の弟子になつた(三島)の哲学学生の印象が濃い若い癖に年寄のやうなシャガレ声を出しさへしなければ人間の世界にあつても――蛙の世界にあつても――名優だらう。

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