ジャガ芋

[#ここから1字下げ、折り返して2字下げ]○ジャガ芋は一時間位よく湯煮《ゆで》てその湯をこぼしたる時直ちにバターを入れ芋を転がしながら暫く火の上にて炒り付けたるもよし。また日本風に塩と砂糖にて煮たるもよし。ジャガ芋は甲州産を良しとす。○医学博士ケルネル氏は日本人のために日本風の献立表を蛋白質と脂肪と含水炭素の割合にて左の如く定められたり。即ち強壮なる男子の食物は、一日に飯米およそ四合、沢庵七切、朝の副食物が味噌汁へ小さき蕪菁《かぶ》の実三個を入れたるものと煮豆が小皿一杯、昼食が小さき八つ頭芋一個と蓮根が長さ三寸ほど、慈姑《くわい》が六個の煮たるもの、晩が牛肉のスキ焼五十匁葱一本とつく薯のすりたるもの中皿一杯。これにて蛋白質が二十二匁ほど、脂肪が六匁ほど、含水炭素が百十匁ほどとなる。強壮なる男子にてもこれ以上を食するは過分なり。○ジャガ薯は蛋白質二分三厘、脂肪三厘、含水炭素二割あり。○肉漿とは牛の血肉と称する処を肉絞り器械にて絞りその血を強壮剤として飲むなり。病後の快復期あるいは虚弱の人に最も功あり。○肉漿を作る時は先ず血肉を極めて薄く截り、寄生虫類を殺すため鉄網の上にて両面を少しく焼き、熱き内に手早く器械に入れて一つ一つ絞るなり。上等の血肉なれば一斤より一合余を得べし。これに塩を加え、牛乳を交えて飲むべし。また少しく湯煎にして温め飲むもよし。○血肉は一斤弐十八銭、肉絞器械は上等にて六円五十銭なり。○牛肉の血の紅き色は多く鉄分なり。菓物の紅き色桃杏イチゴ等は皆な多く鉄分なり。故に人体に功あり。[#ここで字下げ終わり]

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