胃腸病の食品

○胃腸病の食品としては最初の内刺身粥パン半熟玉子等を良しとす。恢復期に向えば柔く煮たる肉類および野菜を加えて可なり。○胃拡張の病人には牛乳を禁ずべし。麦飯は最も速《すみやか》に胃中を去るもの故アトニー症によし。しかし麦の蛋白質の五割三分は吸収せられずして体外へ排泄せらる。○胃潰瘍には刺撃性の食物を禁ず。肉漿は最も良き滋養品なり。烏賊《いか》、章魚《たこ》、海老、蟹《かに》は総ての胃病に禁ずべし。○便秘者に菓物《くだもの》野菜牛乳等を与うべし、煮たる杏は最も便通に功あり。○痔疾には一時に多食するを禁ず。また芥子、胡椒、葡萄酒、珈琲、蜂蜜未熟の菓物柿等を禁ず。○心臓病には温熱性食物を禁じ全く寒冷の食物を取らしむべし。刺撃性の食物は尽く禁ずべし。濃く煮詰めたる牛乳および肉漿は最も良き食品なり。珈琲は禁物なり。無病の人も珈琲を暴飲して心臓病となる事あり。西洋には珈琲心臓の病名もあり。○腎臓病には牛乳を最良の食品とす。禁忌は心臓病に同じ。○熱病は総《すべ》て固形物を禁ずべき事多し。○産蓐熱には衰弱を防ぐためスープ、珈琲、葡萄酒等興奮性食物を与うるを良しとす。○ジフテリヤもまた前者と同く葡萄酒、珈琲の如き興奮性の食品を与うる事多し。○脳病には総て興奮性食物を禁ず。温度高き食物もまた禁ず。○淋疾には刺撃性食物を禁ず。殊に胡椒、芥子の類は厳禁すべし。○胡椒、芥子、山葵、唐辛子の類は刺撃性食物にして大概な病人に悪し。○酒類、茶、珈琲および肉スープは興奮性食物なり。病によりて斟酌《しんしゃく》すべし。○柿、銀杏、竜眼肉、罌粟《けし》の如き菓物は収斂性食物にして便通を秘結せしむ。○杏、林檎、覆盆子《いちご》、桃李の類は清涼性食物にて便通を促す。○水瓜《すいか》、冬瓜《とうがん》、芹《せり》、独活《うど》の如きは利水性にて小水を促す。妊婦の初期には禁ずべし。○牛蒡、蕪根、豆類の如きは醗酵性食物にして胃の悪き物は醗酵を促す。妊婦は多食すべからず。

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