九月十九日(月曜)

[#1字下げ]九月十九日(月曜)[#「九月十九日(月曜)」は中見出し] 四時に迎へ来り、道子、歌舞伎座見物なので送りながら柳小路の支那グリル一番で夕食、安くていゝ。座へ、二日休んだ指圧先生来り、三十分やって貰ふ、いゝ気持である。入りは九分強だ。旅と一月の出しもの、菊田と相談して、脚本書きの割り当て。中々文芸部は人材が無い。水谷八郎デブ、愛嬌のあるのをいゝことにあたり一面借金だらけにしてドロンした、ひどい奴。渡辺はま子見物に来り、ブラック・エンド・ホワイトを土産に。天外夫人の浪花千栄子見物、これが又オールドパー一本届けてよこした。ハネると、又々ルパン。 丸の内松竹へ進出した笑の王国は、九月といふ悪い月だし、いろ/\いけないといふので又々本城の浅草へ十月は戻れることゝなった由。これは然し、辛抱がなさすぎる、九月といふ月をテストされてはたまるまいし、もう一二ヶ月テストすべきだのにと思ふ。尤も映画と併立なのがいけないのだらうが。

[#1字下げ]九月二十日(火曜)[#「九月二十日(火曜)」は中見出し] 鼻風邪未だ抜け切らず、咽喉もいけない。木村千疋男から長い手紙を貰ったので返事を書き、三糸重二から送って来た脚本二つ読む。「遠山の金さん」といふのが面白い。彼に座へ来るやう手紙書く。見習作者にしてもいゝと思ふ。四時に帝国ホテル迄出かけ、「東宝」のために山路信男といふ人と一問一答する、一人でグリルへ行くと、織田氏と加藤兄上がゐてそこで食事した。座へ出ると、市川指圧氏来り三十分やる。入りは九分強である。「活動」の時、浅草の客みたいなのがゐて、かけ声などする、こいつが不愉快だった。まっすぐ帰り、ウイ少々のみて食事。

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