十一月二十一日(月曜)

[#1字下げ]十一月二十一日(月曜)[#「十一月二十一日(月曜)」は中見出し] 十時半起き、堂ビルの理髪店へ行く。そこの松井を誘って南へ出て食事して別れる。座へ。入りは今日も大当りなり。京都撮影所の滝村、今日来て話を定める筈なのに来ない。帰京の日どりが分らぬので困る。ダッシー八田氏の一行見物なので「青春」のピアノは、ダッシー作曲タコの子守唄と言ったので大受け。ハネ後、柳・大庭・石田・伊東・山野・渡辺・サトウと揃って京都へ、ダッシー八田氏の招待で松そのである。祇園気分、あひがもと水菜のすきを食ふ。渡辺と僕の他は、乙部なるとこへ消えた。

[#1字下げ]十一月二十二日(火曜)[#「十一月二十二日(火曜)」は中見出し] 十二時すぎ、昨夜消えた連中が帰って来て、ガヤ/″\言ってゐる。食事は芋ぼうを頼む、うまい、たんのうする迄食った。かなり強い按摩来り、いゝ心持。省線で大阪へ、暮れ行く沿線の景色を見る。秋景色なんてあんまり見るもんじゃない。座へ、「お化け大会」を、袖から見物、渡辺もサトウもさて味のない役者である。入りは大満員、「ハロー」のスケッチを渡辺に代ってやる。歌舞伎座の「乗合船」を見せにやったので。ハネて、サンボアへ行き、弘養館のカツとオムレツとって食ふ、帰宿一時すぎ。

[#1字下げ]十一月二十三日(水曜)[#「十一月二十三日(水曜)」は中見出し] マチネー。昼、満員、専ら女形で客は来てゐるらしく、「青春」の幕あきから客は活気を呈し、出るとワッと喚声をあげる。川口松太郎来り、アラスカへ行く。三益と花井四人で。ポタアジュに、ハムとセロリのトーストに乗ったの、テンダロイン等、スフレがうまくてお代り。川口の馳走。京都撮影所から人が来て打合せ。二十六日は残って京都で宣伝スチールとプレスコの打合せで夕刻からは座談会の由。夜の部、大満員とは行かず、いさゝかのつかれを見せる。「青春」のピアノは、ベルネクラブのボスが来てるので、「ベルネ作曲のふぐの引越」とやる。織田信恒子爵来り、明日満州へ出発とのこと、サンボアへ案内し、南の万花てふ魚すきへ行く。

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