一月二日(月曜)

[#1字下げ]一月二日(月曜)[#「一月二日(月曜)」は中見出し] 十二時に座に着く。補助も出切りの超満員である。「新婚二人三脚」は、馬鹿なことをすればする程受けるので、舞台で「そんなに可笑しいかな」と役者同志が話すほどだ。「遠山の金さん」セリフが、まだ入ってゐないのでヘドモドする、現代物なら何とかヨタでつなげるが、七五調めいては、さう/\ヨタも吹けない。「ロッパフォリース」何うもいけない。夕食は楽屋でふた葉の親子丼をかき込む。夜の部補助ビッシリ、「新婚」大受け、芝居最中、ズボンがスル/\と落ちたのには驚いた、馬鹿な話。「ロッパフォリース」の歌が気に入らず、ハネてから鈴木静一速製[#「速製」に「ママ」の注記]のをけい古する。十二時近く帰宅。楽屋へ、藤山一郎・マルセル・ルキエン等来訪。 脚本では全く分らないものだとつく/″\思ふ、陣屋八太郎作の「遠山の金さん」がいけなくて、「新婚二人三脚」がいゝとは誰も思はなかったらう。

[#1字下げ]一月三日(火曜)[#「一月三日(火曜)」は中見出し] 十二時開演、びっしり超満員。井田一郎の指揮は、一々キッカケを外すのでクサリ、終って演出者と井田を呼んで充分叱る。「ロッパフォリース」は、あきれたぼういずの楽屋入りがおくれ、そこを抜いたので、着換へが間に合はぬやら、いろ/\ゴタついてしまひ、稽古のし直しだと怒る。昼が五時前にとれた。スコットのビフシチュウとライスカレー。吉岡社長ごきげんで、いろ/\話などして行った。夜も、むろん唸る満員。「新婚」のよく笑ふこと全く呆れるべし。又々音楽トチる、井田ではダメだ。「フォリース」では、昨夜けい古した「ハリキリ」を歌ひ、「豪快」を引込める。川口松太郎来り例の調子で「あきれたぼういず以外はつまらんねえ」と言って皆をクサらせる。ハネ十時二十分。

— posted by id at 06:43 pm  

T: Y: ALL: Online:
Created in 2.0205 sec.

http://ebook-my-home.com/