一月四日(水曜)

[#1字下げ]一月四日(水曜)[#「一月四日(水曜)」は中見出し] 座へ十二時に入る。既に超満員だ、今日から順序を入れかへて、二に「遠山の金さん」をやる、この方が目先が変るので笑ひも多い。幕だまりがうるさく、怒る。「新婚」他愛なく笑ふ。音楽のキッカケの悪いのでクサリ、照明もまだ暗いので明るくし、客席も、少し明るくしようと思ふ。昼が終ったのが四時五十分、部屋でスコットのポタアジュとオムレツ、マカロニ。夜の部、大満員。又、「遠山」の幕溜りうるさく叱る。大道具が八人も休んでゐるさうで、道具に暇どって困る。「ロッパフォリース」トン/\と運ぶやうになり、「ハリキリ歌」あまり受けもしないが、まあいゝとしよう。ハネ十時十分。ルパンへ、凱旋の岩井達夫を連れて行き、乾杯。

[#1字下げ]一月五日(木曜)[#「一月五日(木曜)」は中見出し] 十二時座へ入る、超満員、社長より「遠山は面白くないから、二の替りを出して狂言を替へては」と言って来たが、さうもなるまいから、大詰だけ面白く直させようと思ふ。又、あきれたぼういずの坊屋三郎トチリ、心がけがよくないな。昼終ると、支那グリル一番から五目めしと焼売とって食べる。楽屋の食事は全くはかない。夜の部、超満員、よく笑ふ、客は元日あたりより質がよくなってゐるやうだ。「遠山」も「新婚」も、すっかりハコに入りまとまって来た。「フォリース」音楽がはづまないのでワーッと盛り上らない。ハネ十時十分、十一時帰宅、食事。

[#1字下げ]一月六日(金曜)[#「一月六日(金曜)」は中見出し] 出がけに下二番町へ年始に寄る。昼の部、先づ超満員である。「遠山」何うも気のりがしない、新人の脚本は、手を入れてからでなくてはと思ふ。「新婚」此んなことでいゝのかと思ふが、よく笑ってゐる。伊藤松雄来訪、東京発声の重宗所長が僕に挨拶したのに、こっちが挨拶しなかったと怒ってゐる由、覚えがないが、そんなことを言ふ奴とはつきあひたくないと言ってやる。藤山一郎とホテ・グリへ行き、オニグラ、カネロニー、ゲームパイ、コーヒー。夜の部、補助も出切ってゐる。「遠山」夜はまあ/\キッパリやれた。「新婚」松の内済んで、此の位受けるか何うか心配である。「フォリース」の「ハリキリ歌」は、手をとるとこ迄は行かないがまあいゝとしよう。ハネ十時八分。PCLの植村泰二氏、藤山一郎とロンシャンでウイをのみ、一時前帰宅。

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