一月二十一日(土曜)

[#1字下げ]一月二十一日(土曜)[#「一月二十一日(土曜)」は中見出し] 十一時迄ねる。梅幸の「梅の下風」を読み始める。これが又たのしめるので嬉しい。二時半出る。東宝ビルへ、日劇の前は行列である、「大久保」が当ってゐることは、何う考へても喜べない。夕食は座へ出てサンドウィッチ。今日も補助椅子は売切れ。ジャパン・アドバタイザーの女記者アメリカ人のミス・何とかいふのが来り、インタヴィウ。声が今日あたりからビン/″\よく出るやうになった。芝居中日過ぎるとます/\やりにくゝなって来た。ハネ十時五分。まっすぐ帰宅。

[#1字下げ]一月二十二日(日曜)[#「一月二十二日(日曜)」は中見出し] 十二時楽屋へ入る。木村千疋男来り、揚幕で辛抱強く終り迄見てゐた。「新婚」の時、山野がやり過ぎるのと、カヂるのでくさる。注意して直させなくてはいかん。花柳小菊が来た、きれいだし頭もいゝ、舞台へ出ろとすゝめる。大辻と樋口大祐来る、大辻は渡米につき「送別会をやってくれよ」と言ふ。二月一日夜、やってやることにする。屋井とホテ・グリの食事、ポタアジュ、コールドラブスター、ハンバーグとアプルパイ。座へ帰る、大満員。「遠山」の大詰は馬鹿に受ける。あきれたぼういずの坊屋三郎、軽い盲腸炎を起し、トチる。ハネは十時。帰宅、梅幸の「梅の下風」を読むのがたのしみ。

[#1字下げ]一月二十三日(月曜)[#「一月二十三日(月曜)」は中見出し] 今日は有がたくなし、警視庁行き。菊田一夫と検閲の寺沢氏のとこへ、此の非常時に、あんまりひどいものはいかん、今後注意せよと、おだやかに話しあり、一々恐縮して引き下る。日劇のステージショウ「冬のスポーツ」を見、ラウドスピーカーの強音になやまされ、ハゲ天で食事して座へ。大入満員。大道具の音我慢ならず、その上張物の裏でベチャクチャやるので、カンが立って居られなくなる。今回は音楽と大道具に随分攻めつけられた。ハネ十時五分。山野を呼び、カヂリ芸について意見する。 ファンからの手紙に、「遠山の金さん」のオイランの里ことばは、子供がアリンス言葉を覚えるので困るとあった。全く、こいつも恐縮。

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