三月八日(水曜)

[#1字下げ]三月八日(水曜)[#「三月八日(水曜)」は中見出し] 今日はマチネーあり、椿油の愛用者招待とかで、つまらぬ話である。生椎茸をソティーして食べる、納豆も東京より来り美味き朝食。座へ出ると、補助出てゐるがてんでつまらぬ客で、「金色」の序幕でくさり、「従軍記」もハショリ気味。幕間に、伊藤松雄の原稿、「百鬼園先生」が届いたので読む。まあ/\いゝが、うまくはない。タンシチュウとライスカレー、食堂からとったのだが、そのまづいこと。夜の部、相撲が始まったのが影響してか、大分空席がある。が、ちゃんと受けるから此の方がづっと緊張する。ハネは十時二十分。女房と高橋姉とで、南の多幸平へ行き、食事、ショッパイのでくさり。

[#1字下げ]三月九日(木曜)[#「三月九日(木曜)」は中見出し] アラミスの食事。 十時起き、喜多村氏迎へに寄って呉れ、阪急で神戸へ。三ノ宮口で速水氏と落合ひ、神戸港のアラミス号へ行く。バアでカクテル。食堂へ行く、オルドヴル。フアグラ――のうまさ。伊勢蝦のチーズ焼、鳥のクリーム煮、次にパンケーキ・スゼットでおしまひ。フアグラ一ばんうまし。今日のは物足りなかった。ホワイトワインでほろ酔。二時に船を出て、大阪へ帰る。座へ出る。入りは八分か。「金色」は、受けるが一体に弱い。「春のサーカス」のハリキリボーイズます/\受ける。「従軍記」投げたくなって困る。ハネ十時十五分、女房・姉見物で、一緒に帰る。堀井夫妻・白川来り、麻雀。最中に鮭で飯を食ふ。

[#1字下げ]三月十日(金曜)[#「三月十日(金曜)」は中見出し] 今日は小林富佐雄氏の招待なので、十二時に出かける。唐物町の蘭亭といふ長崎料理。座員十数名と、吉岡社長も出席、阪急の佐藤・岩倉もゐて、会食。よかったのは豚の角煮とおしるこ。おしるこはお代りした。二時すぎ梅田映画劇場へ。「はたらく一家」と「ステージドア」を女房・姉と見た。二つともつまらなかった。座へ出る。樋口が来り、四月は昼夜にして貰へまいかといふ。一言の下にハネつけ、エノケンのマチネーですぐ気が変る東宝の無定見には呆れると言ってやる。藤山一郎、満州の帰りだとて寄る。八分弱の入り。「金色」が一ばんまとまった受け方。頭痛がして困る。風邪かな。夜食は、鮭や味噌汁、とんと朝飯。

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