三月十一日(土曜)

[#1字下げ]三月十一日(土曜)[#「三月十一日(土曜)」は中見出し] 十二時半迄寝た。びしょ/″\雨の音がして、寝てるには最もいゝ。食事が楽しい。東京からの鮭や何やらで美味い。座へ出る。雨があがって、入りは満点。「金色」でサトウの荒尾が熱演するので客が笑ふ、大分インテリ客になった。「春のサーカス」で歌ってる歌は二つとも来月へ持ち越す。「従軍記」やればやる程馬鹿々々しい。ハネ十時十五分。帰って、女房・姉とで、かどやのグリルへ、ビフカツレツ・カレーライス共にうまし。帰って、「映画之友」へ七枚「僕の映画月旦」を書く。喜多村氏が来て十二時すぎから麻雀。

[#1字下げ]三月十二日(日曜)[#「三月十二日(日曜)」は中見出し] 十一時起き、マチネーだ。座へ出ると昼は補助出切り、客種いともよろし。白井鉄造氏、浅見といふ青年を連れて来り、四月からその人を引受ける。「金色」のサトウの臭いのとつきあふのが嫌んなる。昼の終り、蘭亭から豚の角煮その他をとって食べる、高いので驚く。夜の部は、補助は出てゐない。客種は依然としていゝ。ハネると、安宅商会のオザで、北の蓬来といふうちへ行く。ハリキリボーイズ四人を先づやらせて、山寺をひいて貰って、二十ばかり声色をやった。双葉山・羽黒山ともう一人相撲がゐて、こいつらの馬鹿々々しさにくさる。一時すぎに帰り、すぐねる。

[#1字下げ]三月十三日(月曜)[#「三月十三日(月曜)」は中見出し] 十一時起き、東京から田中三郎来り、ビールを飲んでゐた。茶の間には、喜多村・英両所が待ってゝ飯もそこ/\に、麻雀。満槓などやって華々しかったのだが、結局負け。タカザワのカレーライスとって食ふ、うまい。座へ出ると、九分弱の入り。柳が、風邪気の顔で来て、わけの分らぬことを言ふ。体を治してから何か言へと言って取り合はぬ。ハネて女房・姉とで、かどやのグリルへ。ポタアジュとビフカツ、共によろし。竹川へ帰ると、白川道太郎が待ってゝ、柳と打つかった話をする。柳は、ハリキリボーイの僕の直した個所を「おれの通り何故やらぬ」と怒り、「先生の言ふこときけて俺のはきけねえのか」と言ったさうだ、柳のこと今迄我慢して来たが、此う出られては考へなくてはならぬ。

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