三月十七日(金曜)

[#1字下げ]三月十七日(金曜)[#「三月十七日(金曜)」は中見出し] 十一時近く起きると、麻雀の早朝興行の連中がやって来る。此の宿にゐては、読書も出来ない。と言って、こっちもつきあひのいゝ方だ、座へ出る五時半ぎり/″\迄、英・竹川・三郎で麻雀。一向つかず。座へ出る、入りは八九分行ってゐるが、今日あたりの客のつまらなさ甚しい。「金色」も「従軍記」もブツ/″\言ひながらやる。ハネ頃三郎が来り、大庭・石田・伊東を連れて、サンボアへ行く。弘養館のビフテキをとって食ひ、パオンへ行く。ガサ/″\してゝ、こっちのカフェは又ひどし。すしを食って、僕だけ帰る。

[#1字下げ]三月十八日(土曜)[#「三月十八日(土曜)」は中見出し] 又意味なしマチネーだ、ショップ・ガイドとかの貸切だ。つまらんと思ひつゝ宿を出る。彼岸の入りだといふのに、雪がちら/\、寒い。座へ行くと、大満員だが、客種の悪いこと、いつも受けるとこが受けない。いゝ加減気を抜いてやる。昼終り、丸一食堂といふのから奇怪な支那めしをとって食ひ、漫才の打合せをし、四月狂言の宣伝文章をまとめる。夜の部いゝ入りだ。楽屋へ、バルベ氏のタイピスト嬢が、フォアグラの罐詰一つ届けて呉れた、有がたい。ハネ十時五分頃。女房と、南の錦へ天ぷら食ひに行く。二人で十円はショッパイ。宿へ帰って紅茶。三ぶちゃん未だゐて、映画のはなしなどする。

[#1字下げ]三月十九日(日曜)[#「三月十九日(日曜)」は中見出し] マチネーだ。座へ出る、満員である。やってゝセイのないものばかりだ。昼の終りに、地下のサンドウィッチを食ふ。京都の八田氏来り、楽屋で話す。(これは昨日の間違ひなりし。マチネーつゞきでわけが分らなくなった。)四月狂言にやる漫才大会のうち、花井・藤田と、林・石田の分とを書いてしまふ。夜の部も大満員、客は鈍である。屋井専蔵来る。客席で僕と間違へられた由。鈴木重三郎来る、満州行の途、寄ったもの。宿へ帰り、かどやからライスカレーとって食ひ、喜多村・三ぶちゃん・クス子でやる。四百の負け、午前七時に寝る。

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