四月七日(金曜)

[#1字下げ]四月七日(金曜)[#「四月七日(金曜)」は中見出し] 又寒い。一時に女房と帝劇へ行く。メトロの「地球を駈廻る男」の途中から見る。アメリカ物は明るくていゝ。アトラクション「桜をどり」はつまらなかった、此ういふアトラクションは、此処らでおしまひだと思ふ。名物食堂のデンツーで、ブフ・アラモドとスパゲティを食ひ、座へ出る。補助椅子も出てる。ポカ/\して来たら凄いだらうと思ふ。「従軍記」は体操の時間が来た位憂鬱だ。「百鬼園」は、劇評でも好評だったし、よけいやりよくなった。「鶴八」で、どなるところが多いので咽喉やってしまふ。ハネ十時二十分。青年部にくじを引かせ当選の白川・岡・前川を連れて今朝へ行かうと思ってたらルパンにゐる田中三郎から電話、皆を連れて行き、おそくなり、帰る。「都」で伊原青々園の評よろし、此の行き方はいゝと賞めてゐる。

[#1字下げ]四月八日(土曜)[#「四月八日(土曜)」は中見出し] 文藝春秋社に頼まれ、世田ヶ谷の聯隊へ慰問に行く。近日出征する軍人ばかり、一席やり、金語楼と代る、彼のうまいのと松井翠声の司会ぶりに感心。三時近く済み、東宝劇場のマチネーをのぞく、「宝塚花物語」凡そ美しく凡そ面白くない。名物食堂の天ぷら食って座へ。柳の馬鹿々々しいタクラミが方々から耳に入る。入りは大満員、補助椅子出切り。「従軍記」流石は東京の客だ、馬鹿々々しがって受けない。「百鬼園」と「鶴八」は大丈夫受けてゐる。漫才新ネタがないとダレてしようがない。ハネ十時十五分。まっすぐ帰って夜食。

[#1字下げ]四月九日(日曜)[#「四月九日(日曜)」は中見出し] マチネー、十時起き辛し。いゝ天気だが、まだ寒い。座は大満員、英太郎楽屋へ来る、柳永二郎も。今日は屋井が新派連を呼んだので喜多村御大以下来てる、島田正吾、ひょっくり現はれる、スターオンパレードだ。「百鬼園」気にしてるせいか出来が悪い。「鶴八」の漫才は気楽にやって笑はせる。昼終ると、ゲンナリする。四狂言は多過ぎたよ。プランタンのライスカレーとビフカツ、まづい。夜の部、大満員、補助出切り。小林一三夫妻見物。「従軍記」つく/″\いやんなる。「百鬼園」は夜の方が出来がいゝ、意地の悪いものだ。「鶴八」も夜の方がよかったやうに思ふ。ハネ十時十分頃、「忘れちゃ嫌よ」が明日からさし止めとなり、代りを考へる。まっすぐ帰宅。床へ入って「歌舞伎談義」を読み終る。

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