四月十九日(水曜)

[#1字下げ]四月十九日(水曜)[#「四月十九日(水曜)」は中見出し] 所謂早朝興行といふ奴で早く家を出て、英のところへ麻雀しに行く。不二家で食事、マカロニが国産品でまづかった。コーヒーが世にも美味しいので感心した。銀座の英宅、喜多村・竹川・英とで四時すぎ迄続ける。今日は八千近くも勝。座へ出る。今夜は八分ってところだ。いかん。柳は、今日限りでお暇を戴きますと言ったと思ふと、清水を連れて姿を消してしまった。これで座は明朗化されるに違ひない。「百鬼園」やり乍ら、此ういふもの(高いと言ふより暗いもの)をやることを考へる。ハネて、女房・竹川と山田伸吉、田中三郎同道で、蒲田の田中氏邸へ。麻雀夜明しといふ約束で。

[#1字下げ]四月二十日(木曜)[#「四月二十日(木曜)」は中見出し] 昨夜十二時近くから延々長期戦、約十五六時間、相手は色々と変るのだが僕だけは一回もやめず、曳々とばかり打続ける、何年ぶりかで十三※[#「公の右上の欠けたもの」、第4水準2-1-10]九を自摸る、結局一万も勝った。四時、蒲田の田中家を出ると、タクシーで有楽座へ。一睡もしてないから声もらくではないが、やり出せばちゃんと出来る。体は強い。柳は今日那波氏にやめると言った由。果然座は明朗である。清水もゐない。上山の顔など光る位溌剌としてゐる。ハネて、女房・堀井夫妻と石田で今朝へ行き、牛鍋、ビール。柳の話で持切る、石田など踊らんばかりに喜んでゐる。

[#1字下げ]四月二十一日(金曜)[#「四月二十一日(金曜)」は中見出し] たっぷりよく寝て一時頃入浴、三時内幸町の高千穂ビル、ユニヴァーサルで、試写あり。座員大勢で見る。ジョン・エム・スタールの「忘れがたみ」[#横組み]“LETTER OF INTRODUCTION”[#横組み終わり]といふ、アドルフ・マンジュウ主演もの。とてもよかった、余興の腹話術も面白いし、本筋もいゝ。座へ入る。今日も入りはいゝ。九分か。柳が居なくなってから大道具迄静かになったといふ話だ。十時にハネる。久しぶりで浅草のみや古へ行かうと、石田・大庭・堀井に、白川・佐々木と誘って、タクシーで行く。浅草迄二円半とる。みや古はいつもうまく安し。ウイもあり。帰りも円タク探しで一骨。

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