四月二十二日(土曜)

[#1字下げ]四月二十二日(土曜)[#「四月二十二日(土曜)」は中見出し] 起きて又床へ入り、昼寝して、夕刻から女房と銀座へ出て、三昧堂で新刊を買ふ。五月初旬の伊豆山で読まうといふので――たのしみだ。エスキーモへ入り、二品ばかり食べてコーヒー。此処のコーヒーもうまい。座へ出る。入りよろし、柳ゐなくなったため皆元気がいゝ。今日はむし暑くて汗の出ることしきりである。「百鬼園」はうまくやる程、暗くなる。いくらよくても此ういふものは、いかんと思ふ。ルパンへ行く。五月の映画の打合せ。銀座ゴロのマコが又出て来て気分をこはされた。

[#1字下げ]四月二十三日(日曜)[#「四月二十三日(日曜)」は中見出し] 十時起き、座へ出る。満員だが、客種がよくない、「百鬼園」は受けつけないので、さら/\ッとやってしまふ。放送局の佐藤武輔の告別式あり、役者は行けないので文芸部皆行く。柳のゐない座は全く明朗である。昼の終り親子丼を食ふ。夜の入りもいゝ、が、何うも客が色が悪い。「鶴八」の始めのとこで、ふとしたことから吹いちまひ、三益と渡辺、三人で笑ってぶちこはしちまった。ハネは、十時十分前、銀座裏のふた葉へ行く。ハリキリボーイズの須田村・城木・吉川を呼び、柳と共に去るか否かをきく、三人共退座の意志なきを声明。

[#1字下げ]四月二十四日(月曜)[#「四月二十四日(月曜)」は中見出し] 十一時近く起き、女房同道で橘のとこへ寄る、伊豆山行きをすゝめ、四時近く辞して、ホテルのグリルで那波氏と会ふ、菊田・上山同席。六月の日劇案は、名・京が一年一度は来て呉れと言って来てる由で、結局、仕方がない。一人だけ食事、オニグラ、フィレソール、ボンファム・シャリアピンと定ったやうなものばかり。座へ出る。月給日で、部屋で会計係りにガン張らせて、一々渡すことにした。座内益々明朗である。入りは八分強位のもの。「百鬼園」も今日はよく受ける。柳が月給取りに出て来た。もう座員も相手にしない。「鶴八」の高野山で天井から金が降って来たのは驚いた。まっすぐ帰宅。

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